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一色登希彦 ブログ / 三重県の小さな町に在住 現在は飲食店に従事 漫画描いてました

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「漫画家のなり方」インターミッション そしたら 3も

良い本が どんどん在庫切れや絶版だ 絶句

割とビックリしました。
順を追って折り目折り目で色々な文献をご紹介したいと思っていたら、
これらも、新刊の在庫がもうあやしいことになっていました。

なので、予定より早く紹介してしまいます。

漫画において、力のある画を描くための、「脳の中のOS入れ替えマニュアル」です。
 
ふたつ目の「ワークブック」はまだあるのかな?新本が。

アマゾンでは、的確なおすすめコメントがふんだんに添えられています。
ご参照下さい。

解説を、以下に。



漫画の画が、「線画」を基本にしながら、アニメーションの、誰が描いたかわからない、という匿名性の「線画」とは違う質のものであること。

しかし、アニメーションの「線画」もまた、誰が描いたかわからない、という匿名性が宿命なはずなのに、漫画の「線画」とは、別の力と質を持っています。

アニメーションの線画は、アニメーションであることにおいて、その魔法の力を発揮します。
その魔法の源泉つまり、アニメーションであることの条件は、
「時間経過で作られる連続性」
です。

アニメーションの線は、集団作業の匿名性によって描かれ、その匿名性によって大量生産を保証されていますが、「時間経過の連続性」を与えられることによって、描かれるキャラクターの連続性つまり統一感、さらにはそれを超えて、「演出家個人の個性、作風、息づかい」までもが表現可能になります。

厳密には、優れたアニメーション作家は、匿名性が強いはずの線画に、総合演出ではなくてもそのパートを描いた作画家の「個性」のようなモノを吹き込むことが出来ます。
アニメーションの、さらに上級な特徴として語られて良いかもしれない魅力が、そこにあります。
集団作業のおそろしさ、魔法、です。

一方、漫画は、「時間経過の連続性」によって「匿名性のある線画」をつづって見せてゆく、というアニメーションの持つ魔法は使えません。
「連続性」のある線画も、「匿名性」の線画も、そのどちらも、漫画にはありません。

代わりに、漫画には、「その瞬間」のすべてを描く線画以上の線画、「作家性」を瞬時にさらけだせてしまえる線画があります。
それが、アニメーションの魔法にあたる、漫画の魔法の大きな秘密のひとつです。

「右脳で描かれる線」に、その秘密の鍵はあります。

線画であって、線画でない。

地であって、像でもある。

輪郭を描くことで、背景を浮き立たせる。

線を描くだけで、面を表現できる。

面を表現するだけで、空間を語れる。

光を描くことで、影を現前させる。

人物を描くことで、風景を焼き付ける。

ひいては、
ドラマを描くことで、ストーリーを組み立てる。

ストーリーが、ドラマを導く。

そして、
ネームが、画を引き立たせる。

画が、ネームに力を、
ネームが画に説得力を、与える。

そうした思考方法を、漫画の言語は備えています。

「脳の右側で描け」ということは、言外に、
「脳の左ではネーム考えろ」ということを意味するのですが、
その両者は、互いに行き来し、らせんを描いて、そうして漫画は構築されます。

少しあとの「漫画家のなり方」本論で少しだけ述べますが、優れた漫画は、
「画」と「セリフ」とが、加えて「キャラクターの眼」と「フキダシの中心点」と「背景の消失点」と「描き文字」が、コマ割りというリズムと、紙の上の白と黒の光のボリュームの両極端に刻まれて、絶妙ならせんを描いて読む者のココロを踊らせます。

そうでなければ、どうやって、10センチ~20センチ四方の紙の中のインクのシミが、人間を笑わせ、涙を流させ、ややもすると人生を動かしたり出来ましょうか?

漫画の線は、線であって線ではない。
漢字が、画であり、同時に発音記号であるように。

そうしたことのヒントが、ご紹介したこの本には
書かれています。

単なるキレイな線の集まりでしかない画しか描けないレベルですと、漫画の魔法には近づけそうで近づけない。
永遠に。

プロの漫画家さんのほとんどは、この本に描かれていることを、はじめから出来るか、あとから練習して出来るようになったか、のどちらかで、いずれにしてもその魔法を身に付けています。
自分はちなみに後者でした。
それが身についた時には、ものごとの「内側」と「外側」がひっくり返る、「内部」と「外部」の概念がひっくり返る、そうしたショックが、ゆるやかな実感とともにやってきました。

その線が、その線以上の意味を持つ線になるように。
そのヒントをつかんでもらえたらと願います。


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