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一色登希彦 ブログ / 三重県の小さな町に在住 現在は飲食店に従事 漫画描いてました

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「漫画家のなり方」インターミッション 2

デジタルとコンピュータのこと おすすめの本

著作権のことと同じくらい、今、漫画家になろうという時に
自覚的であったほうがよいことが、
デジタルのこと、
コンピュータのこと、です。

おすすめの本をひとつ



2003年の本です。
太田出版さん、先見の明があります。

これも、もう新刊は無いようですね。

でも手に入りやすい価格でセカンドハンド品が入手出来るようです。
が、ご紹介して、みなさん買ってしまわれると、なくなってしまうかも。
(なくなりそう。なくなっちゃったらご勘弁。
そうしたら、皆さんで、版元さんに再版か改訂版の発行を打診してください。
案外そういうので、動いてもらえたりするものですよ、ホントに。
超巨大ではない(失礼)版元さんであれば、充分にあり得ます。
そういう運動がこうした所から成立すると、それは、よい「循環社会」です)

追記/本当に、いったん入手不能になってしまいました。嬉しくもあり、不本意でもあります。この本は、広く読まれるべきです。このブログアップの時点で十数冊あったものが数日でなくなったということは、それなりの需要がある、ということだと思います。みなさま、本当に、版元さんに、声を届けて下さい。どうかよろしくお願いいたします。090509
高値がつくのも、やっぱり仕方がないけど、不本意です。090512


自分は、漫画を制作する作業にコンピュータを使っています。
コミックスタジオや、フォトショップといったグラフィックソフトを使います。

以前、コンピュータを仕事に導入しようかどうか迷っていた時、当時のスタッフさんのひとりが貸してくれたのが、この本でした。
インタービュー形式で、山本直樹さん、古屋兎丸さん、福山庸治さん、やまだないとさん、フレデリック ボワレさん、5人の漫画家さんが、どのようにコンピュータを使ってらっしゃるか、を解説して下さっています。

読んで、コンピュータ導入を即決しました。

導入を迷っていたその当時、そしてこの本を読む、さらに5年以上前、90年代の半ば頃に、マックとフォトショップというツールが世の一部に知られ始めていた頃、

「これがやがて漫画に使えはしないかな?」

と、いくつかのアイデアがアタマに浮かびました。
まだ自分が漫画家として成立していない、アシスタント時代のことです。

しかし、当時のコンピュータのスペックでは、まだずいぶん難しそうなことばかりでした。
発想自体は、自分で言うのもなんですが、革命的でしたよ。
今、仕事で使っていることばかりです。

当時は、
「文章書く仕事のヒトは、ファクスが普及して、どこでも仕事ができるみたいでうらやましい。漫画もそんなことができるようにならないかね?」と言うと、
「ファクスの解像度で、漫画を送れやしないでしょ」と言われて終わる時代でした。

文章を送るのも、Eメールではないですよ、
ファクスですよ、ファクス!

数年経ったら、そうした「寝言」がほとんど実現していたのです。
そうしたことがこの本には書いてあって、コンピュータ導入を即決しました。

自分がいちばん参考になったのは、古屋兎丸さんの解説です。
自分がやりたいと思っていたやり方を、ほとんど実現なさっていました。

他の漫画家さんの解説も、もちろん参考になります。

アプリケーションやハードウェアの解説本とは違い、
「考え方」の本なので、今でもまったく古くありません。
むしろ、現在でも、よく読めば驚くことばかりが書かれています。

ここでも、申し上げたいのは、書かれている「技術」そのものではなくて、
それぞれの漫画家さんが、漫画を制作する作業について、どのような考えをもってらして、どれだけそのことを突き詰めて考えて、本当に実行してしまっているか、ということです。
この解説に出てこない、情けない失敗や、アイデア倒れもたくさんあったはずだということも、今ではわかります。

今から漫画家になろうという方は、
インターネットに無自覚でいられないのと同じように、
デジタルやコンピュータにも、無自覚でいてよい状況ではないです。

使わないにしても少なくとも、どういうものであるかについて知って、その上での取捨選択をして下さい。

コンピュータを使って漫画を描く、という作業は、自分も今はそうですが、週刊連載レベルの生産量を目指す際にも有効に使えます。
逆に、実は次に挙げる別の使い方の方が多いのかもしれませんが、もう少し小規模な漫画の描き方、例えばひとりで描く場合、あるいは、アシスタントさんをひとり、お願いするかどうか、という描き方をする場合の、人件費や、画材代や、時間の節約になります。

今は例えば、資料写真を撮影するのも、デジタルカメラが主流になってきています。
そうして撮った写真を、そののちどのように原稿制作作業に流し込んでゆくか、という際にも、コンピュータは有用です。

もちろん、コンピュータはあくまでも「道具」です。
音楽の世界で、「コンピュータらしくない音楽」もコンピュータで作られていると知った時、あるいはアニメーションや映画制作にコンピュータが不可欠になった時、漫画もやがてコンピュータを「道具」として使えるようになるはずだと思っていました。
今は、そうした時代です。

「道具」である以上、長所短所もあります。コンピュータを使う場合も、長所も短所もあります。それについても知っておいた方がいいです。

不思議なもので、こうした時代になる前に漫画の仕事を始めた漫画家さん、そしてそこからサバイブしてきた漫画家さんは、インターネットもコンピュータも導入すること無く、今も描き続け、そしてかなりの割合の方が、これからも今までの方法で描き続けて行くことができるように見えます。今の時点では。

しかし同時に、繰り返しになりますが、いまから漫画家になろうという方は、インターネットにもコンピュータにも無関心、という姿勢は、致命的に近い欠落です。

それが、「時代」と言われるものの性質なのでしょう。
そのことに抗っても仕方がありません。
音楽で食べて行きたい人が、
「自分は、レコード盤を出して、その収入だけで食べて行けなければ気が済まないんだ」
と言うのは趣味の問題で自由ですが、「時代」を無視した代償は受けなければなりません。

インターネットとコンピュータのことを知って下さい。使う使わないは、別にして。
例えばこの本で取り上げられている漫画家さんが、コンピュータに関してここまで自覚的であるのと同じくらいには自覚的に考えて、
「漫画にとってコンピュータとインターネットはどういう意味を持つのか」ということに関して、どうか持論を構築して下さい。

そしてまた、インターネットとコンピュータに強い、という「カード」は、それを使わないでも現役でバリバリにやってらっしゃる漫画家さんに挑んでゆく際の強力な武器になります。


コンピュータを自分がどのように漫画制作に使っているかは、ずいぶん先になりそうですが、別の機会にお話ししようと思います。


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