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一色登希彦 ブログ / 三重県の小さな町に在住 現在は飲食店に従事 漫画描いてました

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「漫画家のなり方」37

第10章 雑誌に1本載った ここから先に進む時の覚悟

   その3 喜んで席を譲る連載作家はいません サバイバルだぜ 

雑誌に載ったその第1作は、ちゃんと、その雑誌の読者さんを驚かせましたか?

その「読み切り」は、ちゃんと、レギュラー連載の漫画家さんたちを、ビビらせましたか?


その雑誌を手にした、まだ見ぬ他社の編集者の目に留まり、「この作家と連絡取りたい」と思わせましたか? 
あるいはプロフィールを知りたくなって、ペンネームでネット検索をしてくれたでしょうか?
実際に、連絡をもらえたでしょうか?

その1本の漫画が、漫画の世界すべてを変えてしまうことは、なかなかないにしても、上に挙げたようなことは、大なり小なり達成しなければなりません。
読者さんや、レギュラーの連載作家に、何かしらのインパクトを与えるようなものがなければ、この世界に新しく登場する意味はありません。

ただ、レギュラーの漫画家は、新人の漫画を読んで「ヤバいこいつ」と思っても、なかなかそれを口になどしてくれないかも知れません。

気配で感じるんですよっ! 気配で!
ここは、考えないで、感じるトコロです。
でもすぐまた、考える人に戻って下さい。

まず自分が生き残らなければならない世界で、喜んで自分の席を譲る人はいません。
ただ、漫画のため、ということを考える人ならば、すごい人が現れて、漫画の世界と、読者さんの数が増えてくれれば、漫画と読者さんと自身にとっても良いはずだ、と思ってくれるかも知れません。

とにかくサバイバルの始まりです。
どのように振る舞って、考えて、生き残り、生かし合い、明日も漫画を描いていくか。

入ってくるなら、もう、ベテランも新人もありません。


   その4 速く たくさん 描くことでしか手に入らないことがある

最初の1本の作品が載った雑誌。
載っている自分の作品と、レギュラー連載の作品を読み比べて、どのように感じますか?

明らかに存在する「違い」は、上手い下手というだけで片付けられない多くのことを含んでいます。

大きなひとつは、「描かれたスピードの違い」です。
ものすごいスピードです。

早く描かれたものは、同じく、早く読みやすいのです。
新人漫画家には、まだそれが身に付いていません。
それが、まずいちばんの違いです。

アイディアもネームも最終段階の原稿も、手離れが悪いままに暖めすぎると、腐ります。

急がないと、はしょれないことがある。
ゆっくり描くことが作品の邪魔をする。

時間をかけて1本の作品を描くと、描きはじめた最初のページと、描き終える頃の最後のページは、ペンタッチの慣れや、線の具合が変わってしまいます。

それが、作品の「不安定感」「不統一感」になるのです。

そうした不統一感が、ある程度以上抑制されてこないと、読みやすい漫画になりません。

プロの連載作家は、週刊なら週刊、1週間に1本、作品をゼロから描き上げます。そのためのスピードを身につけ、その限られた時間的制約の中で、どうやって面白いものを創り出すか、という方法論を鍛えています。

当然、画の創り方、ペンタッチもその速さで出来上がっています。そうすると、読者さんも、その画を読むスピードで、漫画を読むスピードは身につけています。
新人作家さんの作品が、上手かろうと下手であろうと、あらゆる意味で浮いていて、目立つのは、そうしたスピードから浮いているからです。

そのことを踏まえて、目立つことを利用するなら利用しましょう。
他の作品に較べて、浮いていることが作品の邪魔をしているなら、上に挙げたように、スピードによって身に付くものを身につける必要があります。

速くたくさん描くことでしか、身に付かないこと。
それが存在することを知って下さい。
それをどこまで自分が身につけるかは、これもしっかり考えて判断して下さい。
自分の漫画にとって、よい「スピード」というものがあります。
その話を、次項にします。


   その5 描きたいペース 描きたいスタイル

自分の描きたい漫画は、どのペースで描くのがよいか?
これも、人に委ねてはならない部分のひとつです。
自分で考えて、決めるべきことです。

週刊か、隔週か、月刊か、あるいは・・・それを自分で定める。

どの発表形態がベストなのかは、一般論として語ることはできません。

しかし、作家ひとりひとりに適した発表形態は存在します。
死なない程度にとにかく枚数/作品数を描きたい人もいれば、維持すべきクオリティを考えた中で生産枚数を決めてゆく人もいるでしょう。
また、いちどに1作品がよいのか、複数の作品を同時に描いてゆきたいのか。
週刊誌に絶え間なく発表したいのか、月刊誌、またはそれ以上のペースで描きたいのか。

勢いで描ける時期はあまり考えないでよいことかも知れません。しかし、しかるべきタイミングで、自分のスタイルを見極めることが必要です。

そこを考えないまま、引き合いのあるまま、相手の言ってくるままに仕事をしているばかりですと、自分の描きたい作品のクオリティは確保できません。
そのことに関して、何が起きても、誰も責任を取ってくれません。

また、この執筆ペース、執筆枚数は、そのまま、漫画家としての経営規模をどうするか、ということに直結します。
冒頭数章に書いたように、完全に黒字に出来ないかもしれなくても、1枚あたりの原稿料がいくらなのか? それを何枚描くのか? 何人の人に手伝ってもらうのか? そうしたことを考えていかなければなりません。

あとからビジョンの変更があるのはまったく構わないので、この時点で、どのように漫画を描いて行きたいのか、自分の中で明確なイメージがあると良いです。


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