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一色登希彦 ブログ / 三重県の小さな町に在住 現在は飲食店に従事 漫画描いてました

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#27 オートバイレースシーン雑感 「三宅島オートバイレース」に驚きつつ

 2006年が終わろうとしています。
1年の締めくくりに、乗るのも観るのも大好きな
オートバイレースに関して書き連ねます。

 今回書こうと思ったきっかけは、今月26日に報じられた、
「三宅島で公道オートバイレース」のニュースです。
 それだけでも驚いたのに、実施案の中に、
「125ccクラスでレースを行う」とあったので
またビックリ。
「え、DE耐!みたいなものをやるの!!??俺も走りたい走りたい!」と
例によって一瞬浮き足立ったあと、
そんなノンキなリアクションをしているような
案件ではないように思い始めました。

 これは、日本のオートバイレースシーンの、
大きなチャンスで、同時に大きな危機なのでは
ないだろうか・・・?



 驚きはさらに続きました。

 オートバイレースの専門誌として残っていた二誌のうち、
「サイクルサウンズ」誌が今月の発売号をもって休刊しました。

 わーもっと驚いてくれみんな!!

 その分野の盛り上がりが、専門誌が活況かどうかで
全て正確に示されるわけではないだろうけれど、
オートバイレースの専門誌がこれで一誌になってしまった。

 日本のオートバイレースシーンは、
「スポーツとしての社会的認知度」において、
2006年末現在、かなり寒い現状にある、
と認識するべきだと思います。

 日本におけるオートバイロードレースの
最高峰であるはずの全日本ロードレースが、
あらゆるスポーツイベントの中で現在、上から数えて
何番目といったポジションには位置してはいないはずです。
 
 あ。ちなみに僕は2007年シーズン、
全日本ロードレースのチームに、微力ながらスポンサー参加させて
いただく予定です。
 ですので今回のコラムは、愛しつつ関わりを持つ者の
立場で、それでも耳ざわりの良いことばかり言っていても
仕方がない・・・という立ち位置です。

 
 レースシーンの寒い状況とは別に、これまた僕自身も
末席にちょろちょろと参加させていただいていますが、
新しいカテゴリーのミニバイクレースが盛況です。
 形として大きなうねりとなった最初のものは、03年から
始まったツインリンクもてぎのミニバイク耐久イベント、
「DE耐!」だと思います。その後各地のサーキットで
同様のミニバイクレースが盛況で、ついに大御所の鈴鹿サーキットが
「鈴鹿ミニモト4時間耐久」を開催し、ミニバイクの耐久レースは
オートバイがらみとしては近年まれに見る「ヒット作」に
なったと思います。
 
 ヒットの要因は、4ストロークのミニバイクであること、
そしてスプリントレースではなく、数時間を要する耐久レースで
あることだと思います。
 僕等が最初からDE耐!に食いついたのも、まさにそこでした。
オートバイを好きで、レースも興味がある、という最低限の
資格で、何とか参加できるのでは、そして参加したい、と
思えたのです。
 コストも想定内に収まるし、DE耐!の開催第一回目から
GPライダーはじめ有名なプロライダーも参加してくれて、
イベントとても楽しいものになっています。
 また、そうした僕等よりもさらに経験や技術のある
レース経験者、オートバイに関わる方々が、こぞって参加して、
さらに盛り上がるという状態が続いているように見えます。


 そうした中で、「三宅島オートバイレース」の構想が発表されました。
ご存知の方も多いはずですが、これはおそらく一年以上前より
構想としてあったはずの話です。石原慎太郎東京都知事が主導もしくは
力添えの役を果たされ、その絡みで今年のマン島TTレース視察、
そうした中で、参加ライダーの前田淳選手がレース中の事故で
なくなる、という出来事がありました。

 三宅島オートバイレース構想のモデルとなっている
マン島TTレースは、それ自体が「もはや現代の安全基準を
満たしているレースとは言えない」との声もある、危険を
ともなう特殊な形のレースです。正確なデータは示せませんが、
開催ごとにたくさん人が死んでいます。

 あまりにも危ない、なので当然フルスペックの1000ccクラスでは
不可能。それでは最近盛り上がっているらしい125cc以下、
すなわちミニバイクのクラスでレースを・・・といった話の
流れなのではないかと想像します。
 つまり、「ミニバイクの楽しいイベントを考えよう」
というところから発生したものではなく、
「開催の必要によってミニバイクのカテゴリーが選ばれた」
という話の流れなのだと思います。
 もちろん、そういう論理があって良いし、そのようにして
開催されるイベントがあってもよいと思います。
 
 関わる全ての者が、それぞれの立場でしっかり責任を
とれるのならば。

 おそらく本イベントに何らかの影響力を持つひとりは、
石原東京都知事です。ご存知の通り、強い政治力を持った
かなりクセのある政治家です。
 本イベントは、日本のオートバイレースが初めてに近い形で
「政治」に巻き込まれるケースになります。

 そこに、ミニバイクレースというカテゴリーが真っ向から
しっかりと向き合えるのかどうか。それが気になるのです。

 
 ミニバイクレースの話に戻ります。
すげえ下手くそで、それでも参加させていただいていて
楽しんでいてこんなこと言うのは気が引けますが(ゴメンナサイ)、
この「ちよっとしたブーム」とも言えるミニバイクレース、
最近時々首をかしげつつ眺めてしまうことがあります。
 わからないのは、
「このミニバイク(レース)の盛り上がりが、
スポーツとしてのオートバイレースの盛り上がりに
最大効率で直結しているのだろうか?」
ということです。
 最近のDE耐!やミニモト4耐のレース車両を見ると、
「どうなっちゃってるんだこれは!?」と言いたくなる
ものすごい完成度の車両ばかりです。
 03年当初、「ちょっと金に任せて、やりすぎたかなあ」とも
思えた我が「チーム・モーティヴ」のエイプ号が、
あっという間にかすんでしまったくらいに、最近の車両は
見た目も性能も上がっています。

 それを作り上げるのに、ものすごいお金と時間とマンパワーと、
要は情熱が注がれたことがわかります。

 それらが、「スポーツとしてのオートバイレース」に
しっかりと直結しているか?
 なにも、ミニバイクレースをやるからにはプロのレーサーを
目指さねばならない、と言っている訳ではありません。
 有形無形、色々な形で、大きな効率の良い文化になっていて、
その一面をしっかり担っているか・・・ということです。
 「そこ」で閉じたりしないで、しっかりと「開かれて」
いるか?

 僕はその答えを断じる立場にありません。が、参加する中で
ポジティヴなものもネガティヴなものも見たり聞いたりして、
ミニバイク(レース)の盛り上がりが、マスターベーションと
紙一重、関わる者の自覚の有る無し次第で、簡単にそうなって
しまう危うさを抱えているように感じることはあります。

 
 「三宅島オートバイレース」は、どんなレースイベントを
目指しているのでしょうか?
 三宅島のホームページに、発表された
開催概要が載っています。
 現状はまだ、「素案の素案」でしかないように思います。そして、
この「開催案」、今はまだ、多くのお役所の差し出してくる文面と
同じ匂いがします。
 すなわち、主語が不明瞭で、それゆえ述語(ビジョン)が曖昧です。
「やりたい」と思う人々がどんな意思で、どんなイベントを夢見て、
どんな戦略でそれを実現しようとしているのか・・・?
 権限の設定も、責任の所在も、とても曖昧です。
これは、DE耐!はじめ各サーキットのレース主催者が発行する
主語も述語もビジョンも権利も責任も明快に読み取れる
「開催概要」を見慣れている方が見れば、同じように感じることの
はずです。
 もちろん「素案の素案」はこんなものかも知れず、これからしっかりして
くるのかもしれません。
 あるいは、この時点でさらしている「主体性の曖昧さ」が
そのまま続いて、誰が何をやりたいんだかわからないイベントに
なってしまうかもしれません。

 もちろん僕は、本当にやるからには全てが上手くいって大成功すると
良いと思います。

 けれど、このレース形式は、たとえ125ccの排気量だとしても
ものすごく危険です。
 開催の上手い下手によって、死者が出てもおかしくないレースです。
 
 そこに、「趣味の人々の超延長線上」のミニバイクカテゴリーが
持ってこられる・・・・・

 どうやら見たところ、僕のような
「DE耐!を平均的に走りきるライダー」
が参加をするレースではないようです。
 つまり「参加して楽しいレース」ではないとすると、
「観て楽しいレース」を作り上げねばならず、それは
ミニバイクレースの世界が達成していない最大の難題の
はずです。

 それをいち地方自治体がどこまで出来るのか?

 仮に大きな事故が発生した時に、都知事は本当に
このイベントを守ろうとするのか?

 「それみたことか」「バイクはやっぱりあぶない」と
言い続けてきたマスメディアに、さらなる口実を与えずに
自分たちのやっていることをやり続ける意思があるのか?

 ことが起こった時に、
「ケガしてもそれは自分が負えば、それでいいでしょ?」
という以上の責任が生じることの合意を、
主催者/エントラント/観客ともに、
共有することができるのか?

 これらは、欧米はじめ、モータスポーツが文化として
根付いていれば、それぞれの一定レベルでクリアしている
ことばかりです。

 懸念も多いけれど、本当に開催を目指すなら、逆にこれは
オートバイレースにとって、滅多にないチャンスです。
揚げ足取りするようなことばかりを書きましたが、開催を
目指す皆様には是非、このイベントが多くの関わる人すべてに
とって良いものになるよう、尽力していただきたいと思います。

 お願いします、ホント!!
 面白いなら見に行くから、船乗って。

 北海道の世界ラリー選手権の例もあります。成功すれば、
三宅島の注目度も、オートバイレースへの社会の目も、
随分と変化するきっかけになります。
 逆に失敗すれば、ジリ貧のオートバイレースは、
かなり深刻な打撃を受けます。社会的な視線は再度
冷ややかになり、「趣味の人々」はさらに閉じ、
大きな世界に効率よく羽ばたいてゆけない、そんな
状況に拍車がかかるかも知れません。

 僕はまだまだオートバイレースから色々もらいたいし、
まだまだお返しもこれからしなければ、と思っている
ひとりです。

 どうか「三宅島オートバイレース」に限らず、
日本のオートバイとオートバイレース、あるべき
盛り上がりをし、あるべき地位を手に入れ、
あるべき責任の果たし方が出来るようになるとよいな、と
思います。

 2007年がそんな良い年になるとよいです。


 皆様来年もよろしく。

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