一色登希彦/ブログ 

一色登希彦 ブログ / 三重県の小さな町に在住 現在は飲食店に従事 漫画描いてました

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

| スポンサー広告 | --:-- | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

≫ EDIT

「電気自動車の衝撃」に思いを巡らせる

衝撃。

漫画onWeb

↓以下続く


佐藤秀峰さんご本人の日記で告知されているように、オンラインコミックの体験版が、希望する漫画家さん(出版関係者さん)限定で試験的に体験できるようになっています。

まだ一般公開ではないので、このレビューもその前提で書きます。その前提でお読みください。

もしも、漫画家さんでご興味のある方は、どうか試験運用サイトを見てください(上記の日記に問い合わせ詳細その他記載されています)。

僕はじゅうぶんに驚きました。

描き手の皆さま、これは、「他の描き手の漫画の閲覧」ではなく、「自作品のアップ」をしてみるとわかる、してみないとわからない気がします。

今この瞬間、「画稿のアップ」の真似事をしている方はまだ他に居ないようです。「一色描き彦(いしきかきひこ)」さんという方(しょーもなくてすいません)が、テキトーな素材でアップの真似事をしているだけなので、ぜひどなたか、ネームの切れっぱしでも何でもよいので、アップしてみてください。

この、オンラインコミックのビュアーのページ構成は、佐藤秀峰さんが作られた「コミックビルダー」というページ構成作成用の専用アプリをダウンロードして作成します。

本当はこのアプリの使い勝手を画像付きで解説したい所ですが、権利者に無許可で試験版のルックを公開は出来ないと思いますので、文章でお許しください。

サンプルで見れる数ページの漫画は、規定データサイズにした作品データを、ひとまとめにしてドラッグ&ドロップするだけです。操作の理解と習熟は必要ですが、大ざっぱに言うと、本当にそれだけで、「ネットで公開できる漫画」がアップできてしまいます。

厳密には、見開きの調整や作品名の整理や周辺画像のアップや、色々ありますが、作品そのものの画像データは、全データを「ドラッグ&ドロップ」で流し込んで終わり、です。

そうして出来上がった自分の「作品」を、今度は「閲覧者」の立場で、ビュアーを開いて、読みます。

鮮明な画像で軽快に読めます。

このプロセスが、衝撃でした。過去に何度か経験した、ものごとの天地や、内側と外側がひっくり返るような精神的ショック。

「コンピュータを持っているすべての人が、こんなふうに自分の作品を読んでくれる可能性がこの世に生まれた・・・!」

言葉にするとこういうことですが、これは肉体的感覚的衝撃です。

あとは、一般公開後に、アクセスしてくれた方がお金を出して下さるか・・・と期待と不安で待つ、ということになります(例えば、すでに作品のアップを始めている佐藤秀峰さんご本人は、漫画の1話を10円(旧作)か30円(新作)で販売しています)。

「つながって、商売が成り立つかどうか」はもちろんわかりません。これは、「繋がる可能性がこの世に生まれた」衝撃です。今この瞬間に限っては、伝え聞くKindleのシステムよりも「手の内」にある感じがするし、もしもiBooksがなくてもiPadがあれば、これはベストマッチな「漫画ビュアー」になるようにも思います。

以前のエントリー、「もしも僕が佐藤秀峰と個人的な知り合いでなかったら、」でも少し書きましたが、この、読者さんにダイレクトに作品が届くシステムは、僕も夢想だけはしていました。

色々な理由や動機があって、他にも、本当に自分で出版/流通業務まで行うことはできないだろうか、とも考えて、実際にコストの計算までしていました。

手にしたかった「システム」は、もう、まさにこれなのですが、実際に生まれて初めて手にしてみると、その衝撃までは想像できていなかったとわかります。


高名な自動車ジャーナリスト/エンジニアの舘内端(たてうちただし)さんは、プリウスなど出てくるはるか以前に、ある時「電気自動車」を体験してしまい、「ガソリンを燃やし、排ガスをまき散らし、振動と爆音が伴うようなエンジンがなくても自動車は動くのだ」という、その感じに衝撃を受け、以後、電気自動車の考察と研究と普及にのめり込んで行ったそうです。

おそらく舘内さんは、電気自動車が音もなく分厚いトルクで発進したその瞬間、未来が見えてしまったのだと思います。

僕は予言者ではないから、この「漫画onWeb」が、未来にどう繋がっているのかはわかりません。

でも、自分の原稿(データ)を手元に持っている描き手さんには、今、伝えておきたい。

実運用された時に参加するしないは別にして、僕が味わったこの感じが漫画に何をもたらすのか、出来れば体験して、それを教えて欲しい。

漫画家の「うめ」さんが、作品のKindleへのアップという偉大な一歩を踏み出された作業の、それよりおそらくはるかにコンパクトな手間で、体験できるはずです。


生産現場と受け手が直結する。それは夢のような事象です。

先日僕は、東京からはるか遠く、地方の小さな港町を訪れたのですが、そこで買うことが出来る農産物や海産物の美味しいことといったらないわけです。おさかなが水揚げされた港から道路ひとつはさんだ向こうに、ひもの屋さんがあって、採れたサカナを干物にしているわけですよ。宅配はしてくれるそうなので、その場で買って自分の家に発送しました。

美味い! のです。超絶的に。加えて冗談のように安い。

「ひもの」とかいって、安いニセ干物は味付けと保存の為に薬品のプールに浸けて上げておしまいって知ってた?

そうではない「ひもの」をおばちゃんが1枚1枚開いてぶら下げて干してるのを見たら、こう思うわけです。

「手間無く送料と品物代をお金払って、それで送ってもらえるなら、いつでもこのおばちゃんのひもの、買って送ってもらって食べたいのに!!」と。

でもおばちゃんのお店は、もちろん地元の個人商店で、失礼ながらコンピュータもインターネットも知らなさそうでした。あの場で現場でお願いをして、これから、現金書留でお金を送るから、その度に干物を送って欲しいです、と特別にお願いすれば、やってくれなくはないと思うけれど、買いたいと思うたびに手書きで、封筒に小銭を入れて、郵便局に現金書留を送りに行く、という生活はできないわけです。クレジット決済で、ボタンひとつで買い終わりたいのです。

豊かさを無くしてしまった都市部(受け手)と、持っている豊かさとその活かし方に気付かない地方(送り手ポテンシャル)を繋ぐことが、「ボタンひとつ」にはあるような気がします。

僕にとっては、「ドラッグ&ドロップ」で自分の作品の窓が世界中に開かれる可能性が生まれることと、「ボタンひとつ」でおばちゃんの本物の美味しい干物を買えたら良いのに、というのは、まったく同じ線上にある、「どこでもドア」です。

生産現場と受け手が直結する。それは夢のような事象だと思います。だけれど、もちろん課題は沢山あります。


繰り返しているように、出版社や編集者が漫画に関して担ってきた役割の「ある部分」は、漫画にとって絶対的に不可欠だと思います。その「ある部分」がどういったものであるのかという検証がなされないまま、もしも出版社や編集者の職能が解体されてしまったら、それは取り返しの付かないことになります。

「ある部分」のひとつは、「おばちゃんの干物」と「干物を食べたい東京の僕」を結びつけることが出来る、渇いた都市と豊かな地方をまたぎ繋げることが出来るセンスの高さ、です。

「中抜き」でも「食いつぶし」でもない、発掘と開拓と流通。その役割なのですが。

そうした問題に関しては、これからも書き連ねます。


描き手さん、誰でも何でもいい、自分の漫画をアップして、ブラウズする体験をしてみてください。

そのページビルダーのオリジナルアプリは、ひとりの漫画家さんが、漫画の為に作ってみたものです。

それらが、たくさんの人に、どう思われるのか、僕は知りたい。

| ウェブコミックもろもろ | 22:30 | comments(-) | trackbacks:0 | TOP↑

TRACKBACK URL

http://toki55.blog10.fc2.com/tb.php/192-5621ac5d

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。