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「漫画家のなり方」1

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随時更新。
長文になります。項目ごとに書き綴る形で、断片的にアップしてゆきます。
また、削除変更訂正追記を、随時おこないます。
ブログカテゴリー(「コラム分類」)「漫画家のなり方」を選択いただいて、連ねて読めるようになります。
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第0章 はじめに

   その1 「漫画家のなり方」を書くことについて

自分は今、漫画を描くことを職業として名乗っていて、自分の描く漫画を、不特定多数の漫画購入読者に読んでもらうことができます。
それは、漫画を描き続けて、たどり着きたかった場所、立ち続けていたい場所です。

自分が「漫画家」という職業に就いている間に、漫画を描いてゆくことと共に、もうひとつ、やっておきたいことがあります。
それは、縁あって知り合うことになる、「漫画家になりたい」と思っている人に対して、何か少しでも助けになりたい、ということです。

「漫画家のなり方」と言えるようなことは、自分の見知る限りの、漫画家になりたいという人に対して、ことあるごとに話をしています。
それを、実際に見知った、限られた数の人にアピールするエネルギーを費やすならば、その同じエネルギーで、不特定多数の同じ現状の人に届けることが出来るのではないか、と考えたのが、本論を書き始めた動機のひとつです。

   その2 もうひとつの 本論の執筆動機 

もうひとつの大きな動機は、本論をつづり始めてから、自分の中で明確になってきました。
漫画を取り巻く状況が、過去数十年に何回かあったのと同じかそれ以上の激変をしていることと関係があります。
どのような「激変」なのかは、本論を進めていくなかで、綴ってゆきます。

その激烈な変化の中で、「今、漫画家になるために必要なこと」の体系が、現在の状況に即した、満足できるまとまった形で、世に出ていません。

いままでは、そうしたことは、出版社の編集者や、アシスタントという形でお世話になる漫画家さんや、そうした自分以外の力に無意識で頼っていた部分です。
そうしたノウハウは、かなり複雑で、あいまいで、時として想像を超えるように見えます。そうしたノウハウを、これからは自分自身で自覚的に身につけなければならないことになってくるはずです。それもかなり早い時期に。
実際は、すでにもう、そのような状況になっています。

漫画家が、漫画家個人として二本の足で地面にしっかり立つことが、相当に困難な時期です。本当は、それは何も、漫画家に限らず、個人レベルの特殊技能を必要とするいろいろな職種にも迫っている困難です。

大きな話をするならば、あらゆる人間関係や社会的関係の中で、個人がしっかりと自分の足で立つことが難しくなっています。
その時にやっかいなのは、「個人がしっかりと自分の足で立つことが難しくなっている」という状況そのものが、見えにくくなっていることです。見えにくいと、問題にもしにくい、というわけです。

それゆえ、自覚的な人もしくはズルい人が少し知恵を働かせれば様々な事態を切り抜けることができるし、逆に、そうした問題に無自覚な人は、どんどん自分を窮地に追い込んでゆく。自分が窮地に追い込まれていってることにも気付かないうちに。

流行りコトバで「格差社会」とか「雇用者切り捨て」などと言われているのは、そういうことです。
ひとまず安全と思える場所にいる人は「自己責任」を口にしますが、そのコトバでくくれるのは、自己責任を考えなかったために窮状におちいった人をあげつらうだけのことで、そして、追い込まれている人の明日を保証してくれもしません。
そして、「自己責任」を口にした人は、せいぜい、そう言っていた自分の明日はその我が身になりはしないかとビクビクするだけのことになります。

漫画家になりたい人、漫画に関わる人が自覚するべき自己責任もまた、確かに存在します。
そうした中で、漫画家への思いがかなわなかった人に対して、漫画の状況をよく知る者でさえ、よくて結果論として「自己責任なわけだから」としか言えないのは、貧しいことです。
せめて、自分が大切にしたいと思うこのフィールド内においてだけでも、現在の「自己責任」の実際の内容はどういうものなのかを言語化してみたいと思いました。
そうすることで、漫画家になりたい人への、地に足付けて立つことの助けになって欲しいです。

そのための手がかり足がかりとなるものを書き綴りたいと考えました。

そのため、書き始めた当初に本来考えていた目次構成を変更し、急ぎ表明した方がよいと思われることを最初の項に持ってき直すこともしました。

本論は、“「漫画家になりたい」と思っている人”に向けて書き始めます。
厳密にもう少し対象を絞ると、この文章は、
“「漫画家になりたいと思って努力しているのに、どうしてまだ自分は漫画家になれていないのだろう?」と思っている人”
に、向けています。
タイトルが「漫画の描き方」ではなく、「漫画家のなり方」である理由は、そうしたこととともに、折々理解していただけるはずです。

「漫画家になりたい」と思っている人が、「漫画家になれていない理由」と、「漫画家になるために必要なこと」を知ってもらい、それぞれ生かしてもらうことを本論の目的にします。

項目が多くなりますが、全てにおいてその都度、自分の現状と照らし、省み、身に付いているかどうか検証してください。
もちろん本論に対して、代案があれば、それをもってしてもよいことです。
代案が浮かばなければ、取りあえず飲み込んで、身に付けてみて下さい。
「こんなに考えて、身につけなければならないのか?」と
感じるかも知れません。
しかし、それらはやはり必要です。
ここまで漠然と考えていた部分にすべて、意識の光を照らして、再検証して、知っておく必要があることです。

漫画を好きで、漫画を描いて生きていきたい。加えて絵が上手い。
そう言う人に、
「あとは、ここにあげた、精神的姿勢を身につければ漫画家になれますよ」と
言えるものを、書きつづります。

すでに漫画家になっている人には無用の文章でしょうし、読んでいる途中で飽きた人は、漫画家になれないか、漫画家になれる別の方法・別の道を探せる人です。

自分で責任を負える範囲で、書けるだけのことを書きつづるつもりですが、事実誤認や、みなさまからの異なるご意見やご助言もあると思います。
むしろ、本論は、筆者の手を離れるべく、ご意見、ご助言、代案、を、必要としています。
いただけるご意見やご感想には、謙虚に耳を傾け、本論の修正加筆をし、完成度を上げて行きたいと考えます。

お気づきの点がありましたら、どうかお知らせいただけると幸いです。


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「九段坂下クロニクル」

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シリーズ 既刊0巻~4巻

「日本沈没」
全15巻


「ダービージョッキー」
文庫版全11巻
ヤンサンコミックス版全22巻

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よく読まれる記事

漫画家のなり方
継続中。長い長い。「第0章」よりどうぞ。下に目次一覧もあります。

  

「漫画家のなり方」
  目次一覧

第0章 はじめに

/その1 「漫画家のなり方」を書くことについて

/その2 もうひとつの 本論の執筆動機



第1章 漫画雑誌の終焉

/その1 漫画雑誌はもう・・・


/その2 なぜ雑誌をなくせないのか

/その3 漫画雑誌が果たしていた役割
//1 雑誌で必ず毎回新作漫画が読めた
//2 漫画の週刊生産は困難なのか?

//3 漫画家に締め切りを与えることができた
//4 編集者自身が果たしていた役割
//5 デザインや製版 もろもろの作業のコストと労力を雑誌が負ってくれていた
//6 作画アシスタントの紹介をしてもらえた

/その4 漫画に必要な様々なことをどのように確保するのか


第2章 「紙の雑誌に代わるもの」の可能性

/その1 「インターネット」「ウェブ」というシステムについて

/その2 既存の大企業がうまくいっていないようにみえること

/その3 インターネットは個人のメディア そして漫画も



第3章 制作費や原稿料や著作権や契約書のこと

/その1 原稿料は 漫画の制作費なのか?
//1 制作にかかるお金
//2 原稿料とは? その他必要なお金のことも
//3 誰も 「原稿料だけではやっていけない」と教えてくれなかった
//4 「二次使用」で得られる(かもしれない)お金


/その2 漫画の制作費は どこがどのように出すのか?

/その3 「契約書」には しっかりと目を通して下さい

/その4 著作権の知識を身につけましょう

/その5 ならば漫画はもう分業でもよいか?


第4章 再度 本論執筆にあたり

/その1 「無駄に過ぎ去る日々」と「なんとか積み重なる日々」の違いについて

/その2 漫画家になりたいのに、なれない人が多すぎる
//1 なにかが間違っているのではないか?
//2 余裕あんなぁ みんな/「才能神話」に飛び蹴りを


/その3 「姿勢」について 技術論以外のすべてのこと

/その4 キミには才能はある! あとはモノを考えるだけ

/その5 漫画家になりたいと思う前提として


第5章 “漫画家”になるのか、“漫画を好き”でいるのか

/その1 漫画を好きでいるための みっつの方法

/その2 ひとつめの方法 読者でいること

/その3 ふたつめの方法 趣味で漫画を描くこと


/その4 漫画家の定義

/その5 みっつめの方法 漫画家になる とりあえずおすすめできません

/その6 それでも“漫画家になりたい”と思ってしまった人へ



第6章 技術論としてのおすすめ文献 10プラス1
/1 「マンガの創り方 誰も教えなかったプロのストーリーづくり」
/2 「石ノ森章太郎のマンガ家入門」
/3 「快描教室 マンガの悩みを一刀両断!!」ほか 菅野 博士(菅野 博之)さんの漫画技術関係の著作
/4 「ベストセラー小説の書き方」
/5 「書きたい!書けない!なぜだろう? 」(夢を語る技術シリーズ)
/6「ファンタジーの文法 物語創作法入門」 (ちくま文庫) 著者/ジャンニ・ロダーリ 窪田 富男(訳)
/7 「映像の原則 ビギナーからプロまでのコンテ主義」(キネ旬ムック) (単行本)
/8 宮崎駿さんの絵コンテ
/9 「新インナーゲーム 心で勝つ!集中の科学」
/10 本論「漫画家のなり方」
/11 あらゆる長編ストーリー漫画単行本の第1巻と長編ストーリー漫画作家の読み切り漫画の短編集
/12 文献を読んでいただくにあたって


第7章 漫画家に なりたい人 なる人 なれない人 ならない人

/その1 なりたい人

/その2 「本当に苦しい」段階を経て、「なる人」になります


/その3 漫画家になれない人
//1 あいさつが出来ない 目を見て話が出来ない
//2 知識の多さだけで自信をもってしまっている
//3 批判することで自己形成してしまっている
//4 手数より口数が多くなっている

//5 ブログで、好き勝手に「ネガ」をひけらかしている
//6 漫画以外の「好きなこと」をひけらかしている
//7 「タダでもいいから載せて欲しい」と言ってしまう その発想は地獄の門の入り口 それを口にしてしまうことは仕事をする者として万死に値する
//8 プロですらないのに「自分がやりたいのはこのジャンルだけ」と言ってしまう


~インターミッション~
/著作権の文献 ご紹介


//9 明日もやはり描かない
//10 こんなに描いたのになぜダメなんだ、と言ってしまう
//11 例えば、絵がうまい 絵がうまいだけ
//12 昨日/先月/去年を思い返してみて、何にも変わっていない

//13 何にも変わっていないことを、自分以外の何かのせいにしてしまう
//14 感情をあらわにしすぎる
//15 やせ我慢が出来ない
//16 「こんなこと、漫画家になれるかどうかとは関係ないでしょ!?」と思ってしまう 口にしてしまう
//17 「わかってるよ そんなこと」と思ってしまう 口にしてしまう
//18 “載らないと死んでしまう、読んでもらえないと生きてゆけない” というわけではない人


/その4 ならない人

/その5 年齢について


第8章 最初の漫画 最初の1作を描いてみる

/その1 とにかく描き上げる

/その2 嵐のように襲い来る、万能感と無力感

/その3 恐怖 「描き上げたくない病」


/その4 誰も言っていないのに、勝手にダメだとか言わない

/その5 完成 おめでとう!

/その6 ホントにその第1作目の漫画は、素晴らしい。ステキです。

/その7 他人に見せる 出版社、漫画雑誌編集部に持ってゆく


/その8 編集者のどんな対応にもビックリしない

/その9 そのまま雑誌に載る場合

/その10 何作か描いて、雑誌に載る場合


/その11 付記 「ネーム」とは?


第9章 最初に雑誌に載るまで

/その1 編集者とのやり取りが再度始まる

/その2 自分の中の「よいイメージ」を絶対に守り通す

/その3 よい打ち合わせとは?

/その4 打ち合わせを何となく持ち帰らない

/その5 直せと言われたら、その場ででも直すつもりで


/その6 編集者とのやりとり しっかりね

/その7 感情を荒げる利点は少ない

/その8 転んだ時にタダで起き上がっていては 死にます

/その9 ここでも嵐のように襲い来る、万能感と無力感

/その10 雑誌に掲載されていることをイメージする

/その11 ここでも、とにかく描き上げる


/その12 最初に雑誌に載る、いくつかのパターン そのことにどうしても言及したい いくつかも含めて

インターミッション 2
/デジタルとコンピュータのこと おすすめの本


インターミッション 3
/良い本が どんどん在庫切れや絶版だ 絶句



第10章 雑誌に1本載った ここから先に進む時の覚悟

/その1 まだ、本論の定義での「プロ」ではありません

/その2 ブログ 連絡手段の必須として


/その3 喜んで席を譲る連載作家はいません サバイバルだぜ

/その4 速く たくさん 描くことでしか手に入らないことがある

/その5 描きたいペース 描きたいスタイル


/その6 プロになって そののち10年後もプロでありたいかどうか

/その7 死守するものを定める


/その8 雑誌の枠内やジャンルの枠内で作風をつくってしまう危険について


第11章 プロになりたいと思う かどうか

/その1 自分の「名」で「生き死に」をしようと思うかどうか

/その2 「エンターテインメント」の、日本語訳 わかりますか?


/その3 読み手のために漫画に仕えることと それが自分のためであることの一致

/その4 不安なのは、みな、同じです


~インターミッション 4~

/その5 アシスタントについて またはプロ以前の時代について

/その6 “漫画家のアシスタント”は “不本意”だが“みじめ”ではない


/その7 付記 漫画家がアシスタントに手伝ってもらうということ


第12章 アシスタントの日々になすべきことについて

/その1 生きてその仕事場を出る


/その2 ものを考えましょう 人に自分を委ねてはならない

~インターミッション5 おすすめ文献 さらに~
/一冊目 「人体のしくみ」
/二冊目 「ブックデザイン」
/三冊目 「デザインの自然学」


/その3 いちど自分のいままでのスタイルがすべて崩れます ビックリしないように

/その4 モノとお金以外のすべてを盗む

/その5 漫画家さんの振る舞いの全ては参考になる とにかく学ぶ

/その6 他者の作品制作に全霊で仕え、力は使い切り、しかし疲れずに帰る

/その7 漫画/漫画雑誌をたくさん読む 好き嫌いや批判を脇において

/その8 仕事場で我を出さない 感情で仕事場の空気を揺らさない その仕事場の空気はタダじゃねえぞ

/その9 自分の不満の表明のためにふてくされてはならない

/その10 人の漫画の手伝いをして、漫画を描いた気にならないようにする

/その11 仕事の合間は「お休み」ではないです 漫画を描く 描く準備をする

/その12 月に2本以上ネームを描いてください

/その13 漫画家は、ホームを通過する特急電車 アシスタントはホームに立つ人

/その14「引き出しを増やす」のウソ 脳の「インプット」と「アウトプット」について

/その15 代案を出せて初めて「批判」と言える

/その16 否定の言葉でしゃべらない タメ息などつかない しゃべりすぎて気持ちよくなっちゃったらいけない

/その17 自分を大きく見せてもしかたない(尊大さのワナに気をつける)

/その18 自己卑下のワナに気をつける(小さく見せてもしかたない)

/その19 編集者/雑誌/読み手をバカにした時点で、バカは自分です

/その20 テレビが「表現媒体」ではなく「広告」であることについて

/その21 幸せそうな人を 「幸せそうでいいよね」と思う想像力の欠如と決別する

/その22 死なない程度に、たくさん恥をかき、傷付いていい

/その23 アシスタント時代に太ったりやせたり眠れなくなったり腰痛になったり 心や体を悪くしている場合ではないです

/その24 目くそ鼻くそ同士でギスギスしない

/その25 アシスタント仲間をライバルにしない 仮想敵は少し高めに設定する

/その26 アシスタント仲間を戦友にする 孤立してはならない

/その27 「プロのアシスタント」について

/その28 漫画家の重力 人の仕事場の引力

/その29 漫画家の寝首を掻く(ホントに殺しちゃダメだよ)

/その30 いま 「どうぞ連載を」と言われたら 自分自身のようなスタッフに手伝ってもらって 月に1本 週に1本 漫画原稿を仕上げられますか?

/その31 いま描いている漫画やネームは そのまま雑誌に載って 他の作品と渡り合えますか?

/その32 少し余談 今だからこう書ける 許してあげて欲しい「漫画家の挙動不審」あれこれ

/その33 仕事場を辞めること あ、それから、お金ありますか?


第13章 絶対に漫画家になれる「漫画家のなり方」教えちゃいます


番外編 印刷会社さんに「社会科見学」(また長文です)

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