一色登希彦/ブログ 

一色登希彦 ブログ / 三重県の小さな町に在住 現在は飲食店に従事 漫画描いてました

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「漫画家のなり方」79

番外編 印刷会社さんに「社会科見学」(また長文です)


編集者が、本当にやめて欲しいと思う「漫画家どうしの横の連絡」

ーーーーーーーーーーーーーーー

漫画家A「もしもしー Bさん? 今飲んでるんだけどさー 来ない?」

漫画家B「まだ原稿が終わらないんですよー Aさんはもう原稿上がったの?」

漫画家A「いやー 締め切りは週明けってことなんで まだ大丈夫大丈夫」

漫画家B「あれー? 自分 その同じ号 この週末が締め切りって言われてたのでテンパってたんですけど」
    「だったら大丈夫ですねー 飲みに行きまーす 今から」

ーーーーーーーーーーーーーーー

編集者「・・・ホンッとーに やめて下さい こういうの」


・・・という、編集さんの魂の叫びを聞き及び、ならばそれはいったい
どういうことなのかと知っておきたい、と思いました。

だって・・・同じ号の雑誌の締め切りなのに、
あの人は週明けまで待ってくれてるのに、
こっちは今週の木曜までに原稿くれって・・・どういうことよ、とか
やはり思ったことがあるのですよ、自分も。

漫画家が、漫画の原稿を描き終えて編集者に渡し、(主に)夜明けの街に
繰り出した頃。
そのあと、漫画の原稿がどのように「漫画雑誌」になるのか?

簡単なことはもちろん知っていますが、
自分も実は具体的にはよくは知りませんでした。

漫画家をやっているのに、それを知らないというのもどうかと思い、
お願いをして、印刷所さんの見学取材に行って参りました。

フォークリフト

こんな注意書きがあるところ。

その詳細を(僕並みに)よく知らない、すべての漫画家、漫画家志望者に
知ってもらえればと思い、取材記をまとめました。


共同印刷さん

取材させていただいたのは、

外観

都内文京区にある、

看板

共同印刷株式会社さんです。
共同印刷さん、お忙しい中、ありがとうございました。

こんな、

食堂

素晴らしい社員食堂があります。

ランチ

メニュー・・・

やすっ

やすっ!!

安くてきっと美味しいのでしょう。
入り口には・・・

注意書き

・・・こんな注意書きをしないと、
おなかをすかした方がやってきてしまうようです。

案内をしてくださった方が、
「その注意書きがイチバンの社内機密だから撮っちゃダメですっ!! やめてー!!」と
おっしゃるのを力ずくで振り切って(ウソ)、撮りました。


3つの工程

漫画をはじめ、色々な作品や記事が「紙の本」「紙の雑誌」に
なるには、作者が原稿を出版社/編集者に渡したあと、大雑把に、
「製版」
「印刷」
「製本」
といった段階があります。

それぞれの作業をとても大雑把に書くと、
「製版」は、紙への印刷のための「ハンコ」を作る作業
「印刷」は、紙にインクで「ハンコ」を押す作業
「製本」は、印刷された紙をまとめて、「本」の形にする作業
です。

この共同印刷さんの本社では、主に「製版」と「印刷」を
見せていただきました。
「製本」は、やはり同社で別の場所に工場があり、
そこで行われているそうです。

自分は、いままでは、「製版屋さん」と「印刷屋さん」が
別々にある仕組みでの仕事が多かったので、大きな印刷会社さんでは
このように「製版」もひとつの部署として存在している、ということがまず
驚きでした。
何も知らなかった・・・

印刷所の建物は広大です。

印刷所外観

建物の多くは戦前からのものだそうです。
軍の貨幣を印刷していたこともあり、
空襲の際には「軍事施設」として、爆撃対象になったそうです。


「製版」

一般の製版

実に多くの部署に別れていて、
それぞれの部署に行くために、長い距離を歩きます。
まずは、「製版」のための、色々な部署を見せていただきました。

「漫画の製版」は、それだけで独立している部署のようで、
漫画以外の「製版」はさらに細かい部署に別れているようです。

「製版」おける最初の作業、
「原稿の読み込み」、「(画像)分解」、「(画像)修正」といった作業を見せていただきます。

分解職場

ここが印刷所の方が「分解職場」と呼んでらした、
「スキャン(画像の読み込み)」
「(画像の)分解」
「(画像の)修正」
の部署です。
画面手前に、青いカバーのついた機械があります。
これが、ドラム式スキャナーです。

この、手に持ってらっしゃる筒にあわせて、

ドラム

原稿を巻き付ける感じでセットし、

ドラムをセット

作動させると、筒が回転して、「光学的」にスキャンを開始します。

スキャン中

画面の真ん中で、白く光っているのが、「スキャンしている光」です。
高解像度で読み取ります。
一枚あたり、数分以上が必要です。

このようにして、
「紙の原稿」や「印画紙の写真」といった「曲げられるもの」は、
筒に巻いて読み取ります。
また、漫画家さんがイラストを描くときや、イラストレーターさんがよく使われる、
イラストボードのような、厚みのある、「曲げられないもの」は、
フラットヘッドスキャナーで読み込みます。

平面スキャナ

これは、家庭用のスキャナーや、あるいはコピー機の読み取り面と同じく、
厚みのあるモノをガラス面に置いて読み込む、その高性能なモノ、と考えて下さい。
業務用の高性能機なので、とても高いお値段らしい・・・

そしてさらに我々は、オソロシーものを見てしまいました。


分解・修正

おそろしいもの・・・いや、驚くべきもの、と言い直しましょう。

読み込んだ原稿やイラストや写真は、印刷時の「見栄え」を考えて、
コンピュータ上で、手作業で「修正」をします。
修正には、フォトショップというソフトを使用します。

こんな風に、

鈴木さん

スポーツ選手のスズキさんの画像が、暗めなので
修正しましょう・・・

鈴木さんアップ

で、左の写真を、右のように明るくする・・・といった作業なら、
平熱で、
「ふんふん、なるほど・・・」と
見ていられます。

あるいは、通販のカタログで、
モデルさんの持っている「商品」の色を、きちんと実物の印象に
近付けるために、注意を払って修正をしてゆく、という作業も
「ふんふん、なるほど」項目です。

通販カタログ

これも、左の暗い画像を、右のように明るくしつつ、
さらに通販の場合は、その「商品」の実物そのものがこの作業部署に持ち込まれて、
実物との色の比較をしながら、印刷された時に正しい色合いに見えるように
してゆくそうです。

地道で根気の必要な作業です。

感心していたら、「驚くべきこと」は、このあとに待っていた・・・


モデルさんの修正!!

モデルさん

このように、オペレーターさんの画面にドアップになって、
モデルさんのお肌を修正して行きます。

シワ、シミ、ほくろ、そばかす、はがれたファンデーションや、マスカラ・・・

モデルさんアップ

わかりすぎる写真を用いるとアレなので、この程度しかお見せ出来ませんが、
すでにひとつ前の写真よりも「おキレイ」になっているのが、おわかりでしょう。

さらに、

モデルさん目

充血した白目も、充血部分を白くして、キレイな白目にいたします。

モデルさんの全身、全貌をお見せすることが出来ませんが、
全身にわたってこの作業で「お化粧直し」がなされており、
驚きました。

こ・・・これは・・・
なんでも出来てしまうじゃないですか!?

漫画雑誌に載っている「水着写真」も、いや、あんな雑誌のあれもこれも・・・

オペレーターさんいわく、
「修正していない写真がそのまま印刷に使われる、ということは、もうほとんどないですね」

「我々に、“消せないもの”はありません。ただ、“無いもの”を写真の上に作ることは出来ないんですよね・・・」
・・・ふ、深い・・・・・・???

ああビックリしました。

しかし、じっくりと見せていただいた作業はまさに職人技でした。
世の中には、本や雑誌をはじめとして、当たり前のように「印刷物」があふれています。
その印刷物の、イラストや写真の一枚一枚にこのような心配りがされて、初めて
「不特定」そして「多数」の方に見てもらえるに足るクオリティのものが、
「当たり前のようにあふれる」ことが可能になるのです。

とりわけ、大都市にいれば、常に自分の眼に映るものに、
「ヒトの手が入っていない」ものを探す方が大変です。
あれも、これも、それも、全部、ヒトが作ったもの、送り出したもの、と
考えると・・・・・・すごいですね。


「漫画の製版」

そして漫画の製版です。
漫画の製版は、他の媒体と違って特殊な工程が多々あるので、
独立した
「漫画制作」部署として、存在しています。

また別の建物の、別のフロアに移動します。

全景

広いフロア・・・この数倍はある印象だと思って下さい。
ここが、漫画家さんが描かれ、編集者の手を経た原稿が、必ず
通り抜けることになる、「漫画の製版」の現場です。

さらにこのフロアで、それぞれの細かい作業が行われます。


手作業の写植

写植ロング

これはよく見ると、見慣れた作業です。

「写植貼り」

紙の漫画の原稿に、別の紙に印刷された(正しくは印画紙に焼かれて写真になった?)活字文字を、切り抜いて、貼り込んで行きます。

写植ヒキ

貼ってます。

写植ミドル

おお・・・
この、黄色い台紙の上の紙の、

写植アップ

このような写植文字を切り取って、
漫画の吹き出しの中に貼っていきます。
(一応、どの作品か特定しにくいようにはしてあります)

この作業は、漫画家さんの仕事場で、あるいは雑誌編集部で、
編集者さんがやっているのをみたことはあります。
漫画家さんの仕事場でそれを見る場合、
「かなり時間的にヤバい」
と考えて良いみたい・・・です。

切羽詰まっていなければ、こうやって、
印刷所さんや製版所さんでやってくださっている作業なのですね。

セリフひとつひとつ、フキダシひとつひとつ、丁寧に
手作業で貼っていくので、これもまた大変な作業です。

ここに関しては、コンピュータの存在しない、手作業です。
このあとで触れますが、この作業ももう、コンピュータ化もされているのですが、
今、この手作業とコンピュータの作業の比率は、五分五分くらいだそうです。
自分の感覚としては、
「まだ手作業が、半分くらいはあるのか・・・?」といった感じです。

この作業を行っている背面で、
その「写植シート」のための文字を入力する作業が行われています。

ネーム起こし

このように、オペレーターさんが、編集者さんから送られてきた

ネームアップ

ネーム・・・ネームを見てますよ、これ・・・・・・!!!

うぎゃー!!

漫画家さん手書きのネームのコピー(またはファクス)に、編集さんが赤の指定を
入れたモノを、オペレーターさんが読み、そのまま入力していきます。

自分の描いた、“あの”読みにくいネームも、こうやってこのまま
編集者以外のどなたかにも、仕事として目を通されているのか・・・と思うと、
ちょっとめまいがしてきました。

きったない、読みにくい字で、ゴメンナサイ。

そういえば昔、お師匠が、ご自分のネームを指して、
「オレの字は、きたないけど読みやすいんだよ!!」という名(迷)言を
残されましたが・・・ええ・・・ヒトによって違うかもしれませんが、
きたなかろうと、読みやすいといいですね、こうなると。


作業の進行/確認

作業は、日勤と夜勤で、フルタイム対応で
進めて下さっています。

フロアの随所に、

進行1

こういった棚や、

進行2

あるいはホワイトボードに

進行ボード

このようなチェックがされていきます。
便宜的に少しボカしたのは、雑誌名です。
週刊誌や月刊誌が、混在しています。

その右に、「数字」があります。
これは、「折(おり)」の、通し番号です。

「折」というのは、本を構成する「単位」です。
16ページを「ひとおり」とします。
「ひとおり」が「16ページ」なのは、このあとお見せする、印刷の物理的理由による数字です。

たとえば、標準的な400ページほどの週刊漫画雑誌ですと、
384ページとすると、

16ページ×24折=384ページ

となります。
全部で24折、作り上げる必要があります。

これもあとで説明しますが、
その「ひと折」の中の16ページ分は、1ページでも欠けていると、
次の「印刷の工程」に回せません。
16ページ、きちんと無いと、先に進まないのです。
その16ページが、ひとりの作家さんが描いた、ひとつの作品で収まる
16ページであれば、進行管理はまだ楽ですが、
そううまくは行きません。

多くの「ひと折」は、複数の作家さんの、複数の作品で構成されています。
もしかすると、4コマ漫画や、短い作品や、記事モノ等が入り、
多くの記事、作品が混在するかもしれません。
それを、「ひと折」のなかで、できるだけ無駄のないタイミングで
「入稿(“にゅうこう”/原稿を製版に回せる状態に)」し、「製版」し、
スケジュールを守って本/雑誌にしなければなりません。

その、「ひと折」「ひと折」を、このようにチェックしながら
進行管理しているわけです。

このボード。
また、消してあるのは漫画の作品名です。
その作品名の右側に、

進行ボード2

「入稿済」とか
「~9折分 昼過ぎ~夕方?」とか
「夕方?」とか
書いてあります。
これは、その原稿が、その時間くらいに
入ってくるだろう、
入ってくるはずだ!
入ってきてほしい!!
・・・という、予測と希望と祈りのホワイトボードです。

印刷所さんが、編集さんとやりとりをし、
どれだけ原稿の仕事の上がりを祈り、信じ、予測し、
最前をつくした進行管理を作ってみても、
・・・考えて下さい。
その「仕事の上がりを信じたい」先で、今、まさに仕事をしているのは、・・・・・・ああ、

漫画家!!!!

おなか痛い・・・


電子的製版

さきほどご覧いただいた、文字の写植を貼る作業、そして、
製版の大元のデータを作る作業は、現在は
コンピューター上で可能です。

共同印刷さんでは、「コミックパッカー」という自社システムを開発し、
使用しているそうです。
これは、アドビ社の「インデザイン」という、製版のためのアプリケーションを
ベースとしたシステムだということです。

作業の様子を見せていただきました。

インデザイン

見たことある作品で、わかりやすい。
ありがとうございます。

インデザイン2

ネームの「文字」が、漫画の画像の脇に見えると思います。
これを、フキダシの中に簡単に配置してゆくことが出来ます。

デジタルですので、大きさや、配置の具合が自由に変更出来ます。
また、紙の写植ですと、誤字があった場合には物理的に「焼き直し」をしなければ
なりませんが、それもデジタルならば不要です。

このコンピュータ上の作業において、文字を置く作業の他に、
「面付け」と言われる、「印刷される紙の上に、原稿をどのような位置で配するか」という
細かい作業も行います。

物理的な「写植」にしても、
コンピュータ上でのテキスト配置にしても、
各出版社、各雑誌で、文字の「書体」や「大きさ」、
「句読点を入れるか入れないか」といった、色々な基本の
決めごとがあります。

写植指定

このような「仕様書」が、それぞれ存在して、各社/各雑誌の
決まりの中で、文字が打たれます。


校了に向かう

さて、こうして、「組版(くみはん)」と「製版(せいはん)」にあたる
作業が進んで行きます。

この作業の間のいくつかの段階で、「試しにプリント」したものが「校了紙」として
編集者に渡されます。
「出稿(しゅっこう)」といいます。

知っている光景ですと、
印刷所さんや製版所さんのかたが、雑誌の編集部に、
定期的に(おそらく1日に何回も)「校了紙」を届けに来ます。
編集者は、その校了紙を見ながら、ネームの誤字脱字が無いかをチェックします。
そのチェックを「校正」と言います。

編集部レベルでの校了チェック=校正は、間違いが発生しないように、
通常は複数人で行います。

(ここで、付記的に、作者以外の、編集者はじめ何者かがネームを
勝手に直す悪習に関して書き始めたら、怒りのあまり
またもやとても長くなってしまったので、別に項目を設けます。
本エントリーの上にアップしてあります)

さて、「校正」を行った校了紙を、再度、印刷所/製版所に
「入稿(にゅうこう)」します。

単行本や漫画以外の出版物は、複数回の「出稿」「入稿」を繰り返し、
間違いが生じないようにしますが、漫画雑誌の場合は時間が限られていることもあり、
いちどもしくは2回程度のやりとりで、最終的な入稿になることが多いようです。

「最終校了」が終われば、
「製版」の作業が完了し、
「下版(げはん)」となります。

「下版」とは、印刷のための「ハンコ」を作る作業に、「版」を回すことを言います。

印刷のための「ハンコ」を作る作業を「刷版(さっぱん)」と言います。
「刷版」の後に「版」を修正する作業はたいへんな手間がかかるため、
「下版」前に、入念なチェックが必要です。
「校了」のための「校正」が大切なのは、そうしたことによります。


「刷版(さっぱん)」/印刷用の「ハンコ」を作る

取材以前に、
「出稿」「入稿」「校了」「印刷」と、印刷プロセスの色々な言葉を聞いていて、
漠然と理解したつもりのことも多かったのですが、実際問題として、
自分が「画」を入れた漫画原稿に、「ネーム」としての「文字」が乗り、
そのあと・・・どのようにして印刷されるのか? という、
「物理的なリアリティ」が、実は、無いままでした。

見ましたよ。 

漫画の「ハンコ」を。

これです。

活版

この、デスクマットみたいな黄色いのは、「樹脂のシート」なのですが、
これを広げると・・・

活版広げ

わかるでしょうか?
これが、
「漫画のハンコ」
です。

この「ハンコ」を作る作業を「刷版(さっぱん)」と言うそうです。

また別の部屋に案内されます。

樹脂版室

「樹脂版室」

版室アップ

中に入ると・・・

弐号機

樹脂刷版マシン!!

「弐号機」!!
「正規実戦型」(すみません)
この巨大機械で、先ほどからお見せしている、

版の山

この神々しいデスクマット、じゃない、漫画のハンコを作るのです。
「製版」のためのチェックが終了した「版下」は、
このように、

製版フィルム

フィルムに焼かれます。
このフィルムを、つるつるの柔らかい樹脂のシートに合わせます。
この、黄色い、美味しそうな色のロールが、つるつる樹脂です。

樹脂ロール

その、フィルムを重ねた樹脂に紫外線を照射すると、
紫外線が透過して、直接樹脂に当たった箇所は
固くなり、そうでない所は洗浄されると「凹」になる。
それで、凹凸が出来る、ということらしいです。

フィルムをセットします。

フィルムセット

要は、フィルムカメラと同じ原理です。

さて、このプロセスは、写真ではなく、
撮影した動画をアップしてみました。
トリミングしたり、字幕を入れたり、
馴れないことをやったものだから、
無駄に時間がかかりました。

ユーチューブに自分が動画投稿をするとも思わなかったし、
初投稿が、こんな動画になるとは・・・



ご視聴ありがとうございます。
BGMに、「ヱヴァンゲリヲン」の音楽を乗せようかどうか、
最後まで逡巡したのですが、ギリギリの理性でやめました。

・・・とまあ、こんなわけで、
「漫画のハンコ」が出来ます。

画像の字幕に書いたように、
1枚のハンコで、50万枚ほど、印刷出来るらしいです。

例えば「少年ジャンプ」的な発行部数だと、
この「ハンコ」が、同じモノが5枚10枚、必要になるわけですね。

冒頭に書いたように、この「ハンコ」が、片面8ページ分、つまり
紙の両面に印刷すると、計16ページ分になります。
それを「ひと折」と呼ぶわけです。

こののち、これを、「印刷機」にセットして、
ハンコを押し続ける作業、つまり「印刷」をします。

印刷のプロセスは、追記でここにこのあと、
アップしようかと考えています。
お待ち下さい。


ひとつの「折(おり)」を作るために、こうしたプロセスがあります。
この一枚の「折」の紙を、
折って、切って、重ねて、閉じて、そして「本」になります。

例えば週刊連載であれば、漫画家さんも、1週間をフルに使って
1本の作品を描きます。

けれど、印刷会社さんは、1号の漫画週刊誌のために、
1週間以上の時間をかけて、この作業を繰り返し、本を完成させています。

この取材記の冒頭に書いた、
「漫画家さんが、原稿のアップを、みんな同じようなギリギリにしたら・・・」という
話は、ですので、大変困ったことになるわけです。

原稿が、漫画家さんの手を離れてから、ここでご紹介した、
大変なプロセスを経て、紙の本は産まれます。

今まで、何となく、
「漫画原稿を手放したあと、色んな人が関わってくれているのだろうな・・・」と
想像はしていましたが、想像力はまったく及んでいませんでした。

取材見学をさせていただいて、とても良かったです。

よく、編集さんも編集さんで、漫画家さんが「原稿アップ後」のプロセスを
知らないことを不便がっています。
思うのですが、漫画家になりたい人、漫画家になった人は、この、ご紹介したような
皆さんのお仕事を、見学出来る機会をつくってもらうとよいように思います。
そうすれば、漫画家以外の、「商業漫画づくりに関わる多くの人」が
いらっしゃることに、想像力が及ぶのではないかと思います。
それは、悪いことではないと思うのですけどね。

ただ、あんまり多くの方がしょっちゅう見学にくると、印刷会社さんも
きっと大変です。
今回も、取材に合わせて、沢山の部署で作業をストップして
待っていただいて、おそらく大変な心配りをしていただきました。

共同印刷さんの、各部署の皆さま。
大切なお仕事の手を、止めてしまったこと、申し訳ありません。
大変勉強になりました。
ありがとうございました。

・・・というわけで、多くの人がしょっちゅう「見学」というわけにも
いかないでしょうから、そのプロセスの一端でも、自分が見てきたものを
このようにご紹介して、皆さんが、「紙の本ができるまで」のことを知っていただく
一助になればと願い、この取材記を記しました。

読んでいただき、ありがとうございました。

一気に書いたので、不備多し。
このエントリー、随時追記しつつ、
改稿します。


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| ロロナのアトリエ~アーランドの錬金術士~ | 2009/07/15 05:26 |

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