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一色登希彦 ブログ / 三重県の小さな町に在住 現在は飲食店に従事 漫画描いてました

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「漫画家のなり方」2

第1章 漫画雑誌の終焉 

   その1 漫画雑誌はもう・・・

本論執筆時点で、まだ、漫画雑誌が世から姿を消してしまっているわけではありません。
しかし、可能性としてこの先、漫画雑誌が今まで果たしてきた役割を終えることは、ありうることだと考えます。そして、それが起こるとしたら、予想出来なかったような早さで起こる可能性もあります。


自分はもちろん、紙の漫画雑誌が無くなって欲しいと望んでいるわけではありません。
漫画雑誌で漫画を読み、漫画から多くのものを受け取ったひとりとして、自分は漫画雑誌にはひとかたならぬ思いと恩があります。
ただ、そうした思いとは別に、紙の漫画雑誌がただならぬ窮状におちいっていることを、もう、そろそろ、知ってて知らぬ振りはできません。

大手出版社の多くの漫画雑誌が赤字に苦しんでいる状況です。

漫画家、そして漫画家志望者は、漫画家になることイコール、雑誌に載ること、と夢見て、漫画を描いてきました。
雑誌に載れば、載り続ければ漫画家だし、漫画雑誌はお金をくれるし、何処へでも取材に行かせてくれるし。
漫画雑誌はお金を持っている、と信じていました。

しかし、漫画雑誌は、もう、お金を持っていません。

赤字なので。

赤字すなわち、経営的には、収入よりも支出が上回り、会社の利益に貢献していないのです。
漫画家になりたいと思った時に、雑誌に載りさえすればお金のある編集部から原稿料がもらえ、それで安心して仕事を続けられる、ということは、もうフィクションとなってしまいました。

漫画が、売り上げにおいて出版社に利益をもたらしているのは、雑誌ではなく、漫画の単行本の売り上げが、いまのところ雑誌の赤字をカバーしているから、です。

出版社は、漫画雑誌の収入だけでは赤字で、投資分を回収出来ていません。
そしてまた、漫画家は、漫画雑誌への掲載の原稿料だけでは赤字で、作品の制作費を回収できません。

ところで、漫画雑誌の編集者がキャバクラやらに遊びに行くお金、飲み食いに使うお金も、会社の名で領収証をもらって経費になっていて、それが漫画雑誌の支出項目の一部なっていたりしましたが、そうしたことはどう思えば良いのだろう?
過去に、そうした場に飲みに誘っていただいて連れて行かれたことがあって、驚きました。
数日で、いち雑誌の編集部の漫画の編集者さんたちは、漫画家の漫画の原稿料1本分になるようなお金を、飲み代食い代に使っていました。
それで雑誌の収支が赤字になって、雑誌の経営を圧迫するようなことがあるなら、
そしてそんなことしながら、雑誌が赤字、とか言ってたらつまらないことだなあ・・・大丈夫かなあ?・・・と思っていたら、そういう雑誌が休刊になったりしたわけです。

単行本の売り上げによる印税収入でようやく収入に余裕が出る漫画家と、その単行本作品の売り上げで出版社が利益を得る以外は、不健全な赤字構造。
それを、今のところみんなで支え合っている、という状況です。

そんなふうに、支え合わなければいけないように思うから支え合っているだけで、あるとき、何かの緊張の糸が切れて、
「もう、赤字の雑誌やめた。支え合うのやめた」
と、誰もがいっせいに言い出さない保証は、ないはずです。

小学館「週刊ヤングサンデー」誌の休刊が、あれほど騒がれたはずですが、なくなってみれば、その「不在」は、むしろ「普通」のことでしょ?
今あるどれだけの雑誌が、無くなった「ヤングサンデー」と同じように、無くなった時に「まあ、無けりゃ無いで・・・」と言われずにすむような存在でしょうか?

漫画雑誌が、ものすごく少なくなる可能性は、あります。
ただ同じく、漫画雑誌が一切なくなってしまうことも、ないはずです。
その出版社にとって、あるいは世の漫画好き読者にとって、ワン&オンリーの漫画雑誌は、なくならない。
そうした漫画雑誌は、雑誌が少なくなった時に、よりクオリティの高い、エリート雑誌になって、変わらずに漫画家の目標、読み手のあこがれになるでしょう。

そうなった時に、では、漫画雑誌が果たしていた役割、多くの新しい漫画の発表の場の提供、という役割、またその他の、漫画雑誌が果たしていた役割はどうなるのか?

あるいは、漫画雑誌が果たしていた本当の役割は何だったのか?漫画雑誌がなくなるとしたら、漫画雑誌と一緒に無くなってしまうと本当に困ることは何なのか?
そうしたことを考えておきたいのです。


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