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一色登希彦 ブログ / 三重県の小さな町に在住 現在は飲食店に従事 漫画描いてました

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「漫画家のなり方」インターミッション6

シナリオの技法書 本命

いちばん最初の「おすすめ文献」の項で、いちばん「王道」なハリウッド映画のシナリオの書き方の技法書を紹介しなかったのは、紹介したい本の新本が入手不能になっていたからでした。
「書きたい!書けない!なぜだろう?」 が、いちばん「シナリオ技法」の本ではありましたが、少し「キャラクター造形」ほかに寄ってて、「総合書」としては少し変化球度合いが高いのです。もちろんおすすめであることに変わりませんが)


もともとご紹介したかったのは、1冊目

 

1冊目の画像が無いですね。これです。

シナリオ入門

ご存知の方もいると思います。
もう20年近く前に、「別冊宝島」の1冊として出た本です。
セカンドハンドは何冊かあるけど、2000円台はなあ・・・と
思っていたら、21世紀の今、新刊本がようやく・・・ということで、ご紹介します。


「別冊宝島」版にも特別に思い入れがあるので、その話も含めて
とりあえず2冊ならべてご紹介しようと思います。
正確には、同じ著者ですが、同じ本ではないです。
が、自分の評価としては、どちらを読んでも
ほとんど得るものは同じと思うので、同じ本だとして扱います。

1冊目の「別冊宝島」の「シナリオ入門」が、当時どのような評価を受けていたか、
正しくは覚えていません。
ただ、アマゾンのレビューにあるように、
「ハリウッド映画の類型を、わかりやすく分析した」ものとして、興味深く読めます。

当時の、「漫画家志望」の自分にとっては、「踏み絵」のようなものでもありました。
「自意識過剰の偏屈もの」にとって、
ややもすればこう言う本は「唾棄すべきもの」だったりするわけです。

「そういうもの読むから、迎合したつまらないものになるんだよ」

わーわーわー!!

実際、自分がこの本を読み始めて、それを冷ややかに見ていた
「漫画家志望」仲間もいました。
「あーダメだね、そういうの読むようになっちゃ」
そうした人が今どうなったか、自分は知りません。
知らないってことは、どうもなってないのでしょう。

もちろん、ここまでいくつかの文献ご紹介をしていたときと同じように、
こうした本の内容を身につけないでも漫画家になれる人もいます。
また逆に、なりようのない人は、読んでも役にたちません。

自分は、役にたちました。

人の目は、好きなものへも嫌いなものへも色眼鏡が適用されるようで、
好きな作品に対しては、その尊さを祭り上げるあまり、
「自分が尊敬するあの人の、その才能で創られた、唯一無二のオリジナル」
だと思いたがるようです。

才能はあってあたりまえですが、その上に、
どれだけの模倣や訓練や研究や迎合(この言葉がマイナスイメージなのは、いつからなのだろう?)があるのかに、思いを至らせないようになってしまうのです。

この本を飲み込むことは、その「色眼鏡」を取り払うプロセスでした。

どんな作品も、優れていればいるほど、
模倣や訓練や研究や迎合(この言葉がマイナスイメージなのは、しかたないのかね?)が
練り込まれています。

「オリジナリティ」は、そうしたものの上に存在する。

この「シナリオ入門」は、そのことを教えてくれました。
ハリウッド映画が、そのシナリオが、いかに「絶対パターン」に基づいて
書き上げられているか、を教えてくれます。

それは、漫画が、いかに「視線誘導」の魔法に基づいて描き上げられているか、
ということと同じことです。

あまりにも明確に、「面白いシナリオとは、こういう約束事の上に成り立っている」と
言い切られてしまうものだから、そしてそれが当たっているように見えるから、
かなり戸惑いました。
しかし、
「例外」があって、自分でそれを生み出せて提示できるなら、その時にそれを
生み出せばよいではないか・・・と考え、とにかくこの本の教える「シナリオの書き方」を
身につけようとしました。

「別冊宝島」の、その「シナリオ入門」を、(物理的に)分解してですね、
コピーしたり、インデックスを貼付けたりしてですね、
不要なところは捨てて、自分で構成し直して、
さらに思い付いたときには自分で加筆したりして、

気が付いたら、
「漫画(ネーム)の描き方」が出来上がっていました。

初公開、一色版「漫画(ネーム)の描き方」第1部/第2部

一色版漫画の描き方

今読み返したけど、面白かった。
見たい人いないか!? いない?
これが出来上がって、そのすべてを自分の血肉にしたとき、漫画家になってました。

こういうことやってみるのが好きなので、自分は形にしてみましたが、
やってみてわかったのは、プロの漫画家さんは、こうしたことを、
形にするかはともかく、みなさん絶対に身につけている、ということです。
「あのときプロの漫画家さんに言われたことは、こういうことだったのか!!」という
ことばかりです。

なんとなく、才能で描いていたら、何本か漫画を描けて、でも、それで終わりです。
そののちは、ノウハウの構築を経験で裏付けして、キャリアを積むことです。

ご紹介した「シナリオ入門」は、それを教えてくれました。

本に書いてあることを鵜呑みにしたらいけませんよ。

何度も申し上げているように、批評的に噛み砕いて、自分のモノにして下さい。

そして、こうしたことに対して、
「なにやってんの? こんなことしなくても漫画家になれる」
と、100%断言することが出来るのは、
今、そんなことしなくても漫画家になって、現在ご活躍のかた、だけです。

ならば、何でもトライしてみませんか?


で、冒頭にご紹介した、実質的には同じ内容の2冊の本、入手されるとしたら、
どちらがよいのでしょうか?

「別冊宝島」版が、定価であった1000円以下、だったら、それも良いかと思います。
雑に扱って、自分のように、書き込んで分解して再構成して、
「漫画の描き方」に改変してしまう、くらいに使えたら良いですね。

しかしやはり新刊が出た今、こちらをおすすめします。



「映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと」
どちらを買っても2000円台、なら、この新刊を世に出して下さった版元さんの
出された新刊にお金を出すのが「正しい循環」です。

新刊の原本は、版を重ね、改訂され続け、その「2005年版」を元に訳されています。
最近のヒット作や話題作がひもとかれていて、その点でも親しみを感じやすいです。
(「別冊宝島」はなにしろ20年以上前の版です)

両方の本を読み返し、気付いたのは、どちらも、
「これからの人」を愛し、励ましてくれている度合いがハンパではない点です。
この著者のいちばん素晴らしい点は、実はここかもしれない。
「ダメだって思う必要はないから」
「みんな、苦しんでいるから」
と、励ましてくれるのです。

そして、
「苦しい時にどうすればいいか」も、
細かく教えてくれています。

今思えば、その時、目の前でお世話になっている漫画家さんも言ってくれていたことではあります。

しかし加えて、本の向こう、地球の反対側から、
「キミはひとりではない」と語りかけてくれる「存在」がある。
その証拠として、本当に上達する方法を余すことなく書き記し、教えてくれています。
そういう存在と巡り会えたのは、大きかった。

生身の恩人は別にいるとしても、
「書物の恩人」は、自分にとってはこの本がその大きな1冊です。

新刊本としては、いちばんにおすすめしたい本を、おくればせながら。


この、上等の製本の本を買って、分解して、書き込んで、再構成して、自分のための
1冊を作ってみますか?

「漫画を描くために自分がしなくてはならないこと」

僕がやれたのだから、キミにもできるはずだ。
そして、できた時には漫画家になっているはずだ。

感じるな! 考えまくれ!


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| 長期シリーズ/「漫画家のなり方」 | 09:42 | comments(-) | trackbacks:0 | TOP↑

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