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一色登希彦 ブログ / 三重県の小さな町に在住 現在は飲食店に従事 漫画描いてました

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「漫画家のなり方」72

第12章 アシスタントの日々になすべきことについて

   その29 漫画家の寝首を掻く(ホントに殺しちゃダメだよ)

あるとき、ある瞬間、目の前の漫画家より、強いエネルギーで漫画を描く時があります。
それが、漫画家として独立して、プロになる数少ないチャンスです。


相手より強いエネルギーを一定時間、つまり、そのロケットの推進力でもって、目の前のプロの地球の「重力圏」から、なんとしても抜け出さなければならないのです。そうして、自分も重力を発する「いち個体」になるのです。

それに失敗すると、あるいはエネルギーを出せないのなら、その巨大な引力圏からは抜け出せません。

とある作家さんが、スタッフさんのぬるい仕事を見て、「気の抜けた仕事しやがって、一生こき使ってやる」と言われたそうです。

まったく正しい話だと思います。
抜け出す力の無い者が、漫画の場に居続けようとするならば、せめてこきつかって絞りきった方が、漫画の役にたちます。
そういうことです。

そういうことを考える相手の、寝首を掻かなければならないのです。
ホントに殺しちゃダメですよ。
でも、目の前の漫画家の寝首を掻く、というのは、つまり、目の前の漫画家が油断している、あるいはいつも通り、あるいはその他の理由で、「今、このプロ漫画家より自分の方が漫画を懸命に描いてる。面白いものを描いてる。自分の方が必死だ」と思える時に、なんとしてもそれを証明して、やってのけて、独立する、ということです。

生きて漫画家の仕事場を出る、とは、ひとつにはそういうことです。
ふたつ目は、漫画家になることを断念して、漫画家さんの仕事場を離れるということです。
それは意思を持ってどこかの時点で選択するべきことです。

「漫画家になろうとし続けるか、やめるか」

こういう話を目の前の知人にした時に
「自分に、もう漫画家を目指すのをやめろって言ってるのか?」と
詰問されたことがありました。
そんなことは言っていない。
ただ、その時その人の中にあった正しい「おそれ」はその瞬間、口にすることで、「人からもたらされた不愉快な話」として片付けられ、忘れ去られてしまったのではないか、とは言えます。すまなかった。
もちろん返答するわけです。
「そんなことは言っていない」
その答えを聞いて、安心してしまったのかもしれない。
「もうダメだ」などと簡単に口にしてはいけないのと同じように、それは口にして人に答えさせてはならない命題です。
だって
「決めるのはあなた次第だよ。頑張れ」
と言うに決まっているではないですか。なんと軽く耳ざわりの良い言葉になってしまうのだろうか。

自問自答は、自分の内で、深く、静かに、正しくなさねばならない。


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