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一色登希彦 ブログ / 三重県の小さな町に在住 現在は飲食店に従事 漫画描いてました

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「漫画家のなり方」69

第12章 アシスタントの日々になすべきことについて

   その26 アシスタント仲間を戦友にする 孤立してはならない

人と漫画を見せあい、的確でなくても、批評をし合う必要はあります。
藤本君と安孫子君のように。

しかし、多くの漫画家志望者が、目の前の漫画家さんや、アシスタント仲間などに、あまり自分のネームを見せないことに、ときどき驚きます。

新人の時期に、担当編集者以外に誰にも自分の漫画を見せることなく、どうやって漫画を磨いていくのでしょうか?


この時期に、人からの批評を浴びまくるのは大切なことです。
また、やがて漫画家になった際に、人のネームに対して批評と助言をできるようになる必要もあります。
それは、相手のためではなく、自分の漫画に対する批評眼や客観性を維持するためでもあります。

そのためにも、この時期に、自分のネームを磨くための技術のひとつとして、他人のネームへの批評眼、そして、踏み込んだことを他者に述べる際の、礼儀をふくめた、他者である描き手への距離感の測り方、等を身につけるとよいはずです。
この段階で、すり切れるくらいにネームを描いては見せ、傷付いては怒り、怒られては謝り、怒っては謝り、滅入ってはおうちに帰ってまた描いては見せ、・・・という作業が大切なのです。
・・・が、先に書いたように、あまり皆、自分のネームを近くの人に見せません。

自信があるからなのでしょうか?

自信だと思っているなら、その自信は、自信ではなくてただの不安です。
不安だから見せられない、というだけです。

親切で熱心な身内や仲間からの批評にすら耐えられないのに、見知らぬ不特定多数の視線や、読者さんからの完全無視、という、社会的な批評には耐えられないはずです。

ハナシ大げさなことも含め、自分がプロ以前にそうして、ネームを描いてはダメで描いてはダメで、という時代にネームを描いたペースは、今の「漫画家志望者」のペースの数倍、大げさに言うと10倍くらい違う気がする時があります。
さらに、1本のネームを何人もの人間に読んでもらい、ヒドいこと言われてそれにまたやり取りを重ね、と考えると、「鍛え方」の密度は、何倍どころか、十数倍~数十倍違うと言っても言い過ぎではないように感じます。

その違いは、どこでどうやって埋められるのでしょうか?

時代が違う、とか、自分は違うやり方なのだ、と反論するのももちろん自由で、ならば今、本当に現在有効な方法論を積み重ね、精進してもらえたら良いです。

「仲間と漫画を見せ合い、漫画の話、バカな話、色々やりとりをするべきだ」とすすめるもうひとつの理由は、「孤立してはならない」からです。

作家のココロが「孤独」であることは前提です。それを踏まえ、それでも「孤立」してはなりません。
「孤立」とは、「孤独な上に、やり取りもしない」ことです。
「孤独」は必須だが、「孤立」は致死的です。そして間違っている。

弱いココロのままでは「孤独」に耐えられません。アシスタントのこの時期に、「孤独」に耐えられるココロを鍛え、「孤独」になる準備をします。
同時に、「孤立」してしまわない準備もします。
甘えず、依存せず、ギリギリのマナーをわかちあった上での仲間をつくり、最低限の「絆」を確保し、自分の命をつなぎ止めて下さい。

命に関わります。

それをせずに実際に命を落としてしまったようにみえる人を知ってしまうと、このことに関してはあまり冗談まじりでは書けません。

突発的に死ななくても、その「致死的孤立」がもたらすものは、緩慢な死だったり、それに匹敵する「負」を周囲にまき散らすものであったりします。
よもや「迷惑かけずにひとりで死んだ方がマシ」などとは言いません。
であるからこそ、「漫画家になろうとすることを断念して、他の、よい生き方」を求める瞬間を自分で決めることも大切だ、と書くのです。

孤立してはならない。本当に。


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