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一色登希彦 ブログ / 三重県の小さな町に在住 現在は飲食店に従事 漫画描いてました

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「漫画家のなり方」61

第12章 アシスタントの日々になすべきことについて

   その18 自己卑下のワナに気をつける(小さく見せてもしかたない)

自分を大きく見せてもしかたないですが、それ以上に、自分を小さく見せることをしてはなりません。
自己卑下のココロは、何も生み出さないだけならまだよいですが、あらゆる良い「可能性」さえゴボゴボと飲み込んでしまうブラックホールです。

それが「謙虚」のつもりでも、
「自分なんか」と言ってはいけません。周りの人に「そういう事を言うお前なんか・・・」と思わせてしまいます。


同じく、自分の描いた作品、とりわけ商業誌に載った作品に対して、「こんなもの」「思い出したくない」「どうしょうもないものを描いた」「描かされた」「描きたくなかった」「忘れてしまいたい」などと決して言ってはいけません。
思ってしまうかも知れませんが、口にしてはいけません。ひとりの時に、自分のココロの中だけで飲み込んで下さい。
こうしたコトバを聞かされて、他人がどう思うかは、列挙したコトバをこうして読まされれば、わかるでしょう?
イヤだし、ダメでしょ?
ならば言ってはなりません。

それでも、つい言ってしまうんですよね。

恥ずかしさの裏返し・・・くらいのつもりかもしれません。

しかし、自分の描いたその作品は、商業誌に載った以上、編集者をはじめ、多くの人の手と労力を経ています。自分の描いたものであれ、他人の描いたものであれ、作品を貶めることは、作品に関わった多くの人の仕事を貶めることになります。
また、何回か商業誌に載る、というこの段階では、そろそろ、知り合いをはじめとして、人に手伝ってもらう場合もあります。ボランティアで手伝ってくれることもあると思いますが、対価をお渡しして、仕事として手伝ってもらうこともあります。そのようにして関わってくれた人の仕事と提供してくれた時間を貶め、そのひとたちをがっかりさせることになります。
そして、商業誌に載るということは、不特定多数の目に触れた、ということです。もちろん、作品を面白いと思わなかった人もいるはずです。面白いと思わないどころか、読み飛ばされた可能性だってもちろんあります。

自己卑下とは、そうした声に傷付く前の先回りでもあります。

が、その時に、もしかしたらいてくれるかもしれない、作品を読んで面白いと思ってくれた人をも、貶め、バカにすることになります。

これはしっかりと想像して下さい。

誰が描いた作品かに関わらず、誰か読み手がその人のセンスによって「この漫画、面白い」といったことに対して、「そんな、どうしょもない、思い出したくない、描きたくなかった、描かされた作品、面白いと思ったの!?」と言ってしまうことになります。
自己卑下を口にする人からは、そうだとわかったそばから、協力者や支持者は離れて行きます。
「ああこの人は、自分の仕事、こんな風に自分で言って、貶めてしまうんだ・・・」と人に思わせて、何も良いことはないです。

その意味において、孤立してしまうことは本人の責任です。
自分の名前で商業誌に載った作品を使って自己卑下を口にするする権利は、作者にはありません。

その作品の評価を口にする権利は、お金を払って読んでくれた読者さんにあります。
漫画家は、お金をいただき、その読者さんの評価を黙って聞く責任を負っています。
漫画の、最初で最後の唯一の責任者です。

口にはせず、思ったことは、ココロの中でうめきながらカタをつけて下さい。
恥ずかしさやつらさは、他人はケアしてくれません。
それを自分の中でだけ閉じ込め、ちゃんと解決して平熱で外に出てくる人だけが、まともなやり取りを可能にします。
それでも自己卑下を口にし、態度に出すならば、付いて回る結果には、責任を持って甘んじて下さい。人は離れてゆきます。

自分の作ったモノを平熱で誇ってください。
ほめられたらうぬぼれにならない所まで胸を張ってください。
自尊心をもって、自分自身と自分の作品を大切にしてあげてください。
批判や無視にはしっかり傷つき、傷口をさらし、乾かし、かさぶたがはがれるのを待ちましょう。
恥ずかしさや自信のなさを自己卑下の形で口に出して、それで人の気をひいてはいけません。

自己卑下を口に出してしまうココロのクセを持っているままでは、自分の才能だけでたどり着いた、今いる場所から動くことは出来ません。
そういう人にはトビラは閉ざされたままです。
いや、勝手にトビラを閉ざしているのは自分自身なのですが。
そして、ずうっと程度のよさげなアマチュア、すなわち始末の悪いプロ志望者のままです。

しかしこれもまたすごいことに、このココロを持ったまま、プロとして成立している方もいます。そうした方は、立派にプロな訳ですから放っておきましょう。
本論の、文字通りの論外ですので。


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